イタリア出身グルメ好きの編集部員エンリコが熊本名物「あか牛」の魅力をご紹介!
イタリアで生まれ育った僕の食生活は、日本へ渡ってから、大きく変わりました。両国での最も顕著な違いを感じたのが、「牛肉」の味わいです。 日本国内はもちろん海外でも人気を誇る「WAGYU」、すなわち霜降りのたっぷり入った柔らかい「和牛」は非常に魅力的な食材ですが、イタリア人の僕にとって「肉が食べたい」という気持ちを満たすには、何かひとつパンチが足りないと感じていました。 そんな考えを持っていたからこそ、熊本を代表するブランド牛「あか牛」との出会いが忘れられません。僕にとって「あか牛」のような赤身の多い肉はイタリアで慣れ親しんだものだったことも理由かもしれません。 今回のpomodoroでは、あか牛に強いこだわりを持つ「あか牛食堂よかよか」の空港店をご紹介します。
熊本のブランド牛、あか牛を世界へ。!
空港3階、搭乗待合エリアにある「あか牛食堂よかよか」は、熊本の食肉業者「あか牛の三協グループ」プロデュースのあか牛専門レストランです。同グループは食肉の流通・小売販売に特化した事業からスタートした会社ですが、平成20年から約100頭のあか牛の肥育を開始。そして、「近年は、生産者として直接お客さんに美味しいあか牛をお届けしたいという思いから、自分たちのお店で肉を焼いて提供しています」と空港店店長の藤田ふきさんは言います。 同グループの飲食店で最も人気が高く、多く提供されているメニューは「あか牛丼」。あか牛丼は、「あか牛料理で最もポピュラーなものであり、あか牛を全国区の知名度にした料理」だと藤田さん。空港店でも看板メニューとして、あか牛丼を提供しています。
あか牛の肉は、タレと柔らかなご飯と相性抜群! さらに中火でじっくり焼くことで、口の中で肉汁が爆発し、旨味があふれ出します。 近年は、健康志向の高まりもあり、人気、注目度ともに増すあか牛。しかし、課題もあると藤田さんは語ります。「まだ食べたことがない人には、赤身=硬いというイメージを持つ人がいること。また、海外でのあか牛の知名度が神戸牛などと比べて低いことです」 「うちの他の店舗には、韓国や台湾から来店されるお客様も多いのですが、あか牛をご存じない方がほとんどです。しかし、食べると気に入っていただけることが少なくありません。この3月から熊本の玄関口である空港にお店を構えることで、あか牛を日本の新たな代表的食材として訪日客にアピールできれば」。空港店シェフの小林修司さんは、知名度向上に取り組む熱意をそう語ります。
「あか牛挽肉カレー」は
空港限定商品です。
おみやげ用のレトルトもあり。
調理する
「あか牛」の香りも音も
楽しめます♫
カウンター越しに
観光客を
笑顔でお出迎え。
あか牛はヘルシー! 鉄分や、疲労回復機能があるカルノシン、アンセリンが豊富。
「うちのあか牛は、ヘルシー、安全、おいしい。この三拍子が揃っていると自負しています」と前述の小林さんは言います。「ヘルシーだからという理由で、最近あか牛が消費者に選ばれることが増えました。食肉で重要なのは体へのやさしさだと、改めて思います」と、店長の藤田さんも強調します。 そんなあか牛の三協グループが育成し、提供するのは「甲誠牛」というあか牛。「甲誠牛」の特徴は、赤身肉の繊細な味わいです。脂身(霜降り)の甘みや口当たりを楽しむ肉とは異なり、赤身の味はごまかしが効きません。あっさりとした中にもコクのある赤身肉を丁寧に肥育し、霜降りと赤身のベストバランスを追求した結果、誕生したのが甲誠牛です。臭みのない、すっきりとした上品な香りのマイルドな赤身肉。藤田さんによると、あか牛の飼料は主に飼料米やワラなど地元の材料を多く使用されているため、牛が健康に育ち、安全な食材となるとのことでした。 藤田さんや小林さんの話を聞いて、あか牛のヘルシーさに興味を持った僕は、その栄養価について、栄養学者で熊本県立大学准教授の友寄博子さんに聞いてみることにしました。 「あか牛のヘルシーさの評価基準として、赤身肉の割合が70%以上であることが挙げられます。赤身が多いあか牛は、日常に不足しがちな鉄分を多く含んでいることが特徴です。 また、あか牛の肉には、疲労回復効果の機能性が指摘されているカルノシンやアンセリンも豊富に含まれているんです」 おいしいだけではなく、栄養豊富であることも知り、僕はますますあか牛が好きになりました。
取材を終えて…
空港店スタッフの方々の、国内外のマーケットに挑戦したいという熱意はまさに、目の前の新しい課題に主体性を持って立ち向かう熊本の県民性「わさもん」精神そのものだと、深く感銘を受けました。 ぜひ阿蘇くまもと空港にいらっしゃった際は、わさもん魂でグローバルなチャレンジをし続ける「あか牛食堂よかよか」のあか牛を味わってみてください。